高校卒業後18歳から伝統的な工法で家づくりをする工務店で10年間、大工として働きました。

今ではあまり見かけなくなりましたが、ほぼすべて手加工で床、巾木、壁、天井などを仕上げる工法を採用しておりました。既製品をほとんど使わないため、時間も手間もかかり、若かった私には日々大変な修行の時期でしたが、木造大工の技術を大切に守り続けている棟梁から、「美しく収めるために、見えない裏側をきっちり作る」
ことがとても大切だと学んだことが、今の私の土台となっています。

その後、父が経営するリフォーム店に入社し、地域に密着し戸建てやマンション、店舗などたくさんのリフォーム工事を手掛けるうちに、お客様の抱える悩みが共通していることに気付きました。
とくにマンションリフォームの場合、殆どの方が結露・カビ・西日・風通し・間取り・収納に悩んでいました。
最新型のキッチンやユニットバスは機能がどんどん進化していますが、いい設備に交換してもそれだけでは
解決できない、お客様の生活があまり改善されない。

独立して店を持ってからは、だんだんとマンションのフルリフォーム、フルリノベーションのご依頼が増えてきました。また最近では沢山の情報を集めすぎて、自分の希望が見えなくなってしまったお客様もいらっしゃいます。

一方で優れた技術を持っているのに発揮できる場が減ってきた職人たちの悩みにも直面することが増えました。
私が若いころに棟梁に学んだ「見えない裏側をきっちり作ること」の大切さを、プロであるリフォーム業者側が見失っているような気がします。
木に癒される居心地の良い住まいを、マンションリフォームを通して届けたい。